はじめに
みなさんは、ひどい腰痛のときに、どのように対処していますか?
整形外科を
私は日本整形外科学会認定専門医として、長年、腰痛の診断と治療を行ってい
痛の診断や治療には、エビデンス(科学的根拠)に基づく方法があります。世界
きました。MRI(核磁気共鳴画像法)、CT(コンピュータ画像診断)などの検
んを救えると信じていたのです。
医師がきちんと治すことができれば、腰痛の患者さんは減るでしょう。医学は
磨き、正しい診断と治療を行えば、多くの腰痛を治すことができるはずです。
「平成
民生活基礎調査」によれば、自覚症状で男性の1位は「腰痛」、女性は肩こりに次
2800万
腰痛の原因となる病気は数多くあります。日本整形外科学会では、腰痛診療ガ
医師は科学的な根
画像検査などで診断のつかな
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数多くの診断
それが悪いというわけではありません。診断して治療を行い、患者さんが腰痛
受けたはずなのに、「腰痛が治らない」「痛みがひどくなった」という方がいるの
私も大学病院時代は、診断と適切な治療により患者さんを治せると信じていま
それは、1983年に神奈川県横浜市青葉区で、整形外科のクリニックを開院
大学病院時代に私が手術を行った患者さんです。画像診断をして適切な手術を行
その方は、診察室に入って私の顔を見るなり、
とおっしゃったのです。
私は、自分の手術は成功したと信じていましたから、「今度はどこが痛いのだろ
これには、非常にショックを受けました。手術が成功して腰痛が治ったと思って
めてしても、原因はわかりませんでした。あのときの私には、なす術がなかった
そんな私を気遣い、先輩が1本のビデオを送ってくれました。1990年頃の
科学的根拠に基づく関節運動学的アプローチ(AKA)を開発された博
関節運動的アプローチというと、一般的にカイロプラクティックや矯正のよう
く違う方法でした。それまで見たこともない治療法で、患者さんが次々と痛みか
困惑したのを覚えています。博田先生の治療法は、私が学んできた整形外科学で
その後、クリニックで毎日たくさんの患者さんを診る中で、原因不明の腰痛に
けてもよくならない患者さんをなんとか救いたい。その思いからAKA─博田法
「何かの突破口になるかもしれない」と、必死だったのです。
AKA─博田法を学び続けていたところ、複数の患者さんに劇的な効果が見ら
と思い、技術向上に励んだのです。
口コミなどの評判で、当院には「手術を何度も受けたけれどもよくならない」
ようになりました。セカンドオピニオンで利用されている方もいます。「普通の生
A─博田法についてより多くの方々に知っていただきたいと思うようになりまし
た。AKA─博田法は、整形外科領域に新風を吹き込む技術です。手術を勧められて
役に立てれば幸いです。
岡田理学クリニック院長岡田征彦